埋葬された告白 僕が埋めた
恋のさせた裏切り 混乱の代償 世界でひとつの鈴 純白の音色 僕に恋した響き 僕のための旋律 涙に震えて 君が僕に伝えた 声 処刑された涙 君の声 僕が |
全部読み返してみて 今度はおちついているよ 書くべきことはたくさんあるんだ 順をおって話してみようか 最初のきっかけは Pからもらった一冊の本だ これは彼女が君からもらったものだと言っていた 何もかも忘れているといっても きっかけがあれば 突然 思い出すこともあるんだよ たとえば この本のこと 君は とてもたくさんのことを知っていて この山小屋でいろいろなことを教えてくれた それを 思い出したんだ それから急に興味がひかれて S教師にお願いして書庫に入れてもらった そこで --ああ、 君は知っているはずだね I・Eという皇帝陛下付の高位士官を 覚えているかい? 彼に会ったんだ Iは僕らの一連の騒動を知っていて 君が読んでいたという本を紹介してくれた それに心をうたれてね |
この本に気持ちを つづることを決めたんだ 気に入った言葉がたくさんある これからは それもここに記していくよ そうそう Pからもらった本だけど --題名を「エヴァンジェリン」といった-- あの本はもう少し いろんな本を読み込んでから 手をつけることにするよ 時間はあるんだ 騎士見習いの修行も まだまだ 当分続くしね だから書頭のかきかけの言葉も 近いうちに完成させようと思う ああ 君は異国の地でも 相変わらず 魔法の言葉を口ずさみ 多くの愚かな人間の糧となっているのだろうか 僕にはとどかないのに あまりにも 遠くて 遠くて 何も とどけることができないよ 君は どこにいるの | ![]() |