Malorn
 Malorn's Diary  





僕は恋をした

君に恋をした

知らない君に







僕の過去は暗くて冷たくて何もなかった
僕はそこで、誰も知らない君を探す


Who is he? & How to read.











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◆この日記内の日付は物語上のものであって更新日とは関係有りません
◆彼の文章の間には、彼の読んだ本からの抜粋が書かれています
内容とかなり影響しあう部分もあり
、引用をはっきりと明記することで
原本のとおり抜粋することにしました。引用データはこちらにあります
尚、各引用文のリンクから本のデータに飛べるようになっているので御利用ください







−序−


君に会えないことが こんなに つらいなんて 
この気持ちは とても不安定で
少しでも気を抜くと ガラスのように
簡単にくだけちってしまう
くだける -- 消滅する?
なんてばかばかしい言葉だろう
だって僕は今こんなにも君を想って
僕に持ち得るものすべてを以って
君を愛している
僕はここにいる
くだけちってもそこに在る
それ以外に何が必要だというのか
君のあのしぐさも、声も、姿も、
君のたてるかすかな物音も
何もかも忘れてしまった僕が
何ひとつ思い出せない僕が
こんなにも君を恋しく思っているのに
君のしぐさに触れ 君の声にまどろみ
君の姿に -- 今目の前で
翻弄されているような人間が
どうして君を愛することを許されるというのか
二度と僕の名を呼んでくれることのない
君の詩(うた)を -- 僕がうばった君の詩を
他の誰が聞くことを許されるというのか

毎晩夜になると
君のことが気がかりで眠れなくなる
今 僕が君を想うこの瞬間さえ
誰かが君に触れていると思うだけで
僕はこの世のありとあらゆる矛盾と
非常識と 虚実とにうちのめされる
もうだめだ 僕はだめだ
何度そう繰り返しただろう
君を想って 恋に濡れたこの体も
僕が生きていく限り続くこの刹那の連続が
細い針に刻まれていくのと同じように
こなごなに刻まれて、くだかれて…
--- ああ、けれども僕はここにいる
君を愛する僕が
ここにいるんだ
会いたい
君に会いたい
その願いを伝えることも
もう二度とできないけれど
会いたい
会いたいよ
お願いだよ

君に会いたいんだ