君に会えないことが こんなに つらいなんて
この気持ちは とても不安定で
少しでも気を抜くと ガラスのように
簡単にくだけちってしまう
くだける -- 消滅する?
なんてばかばかしい言葉だろう
だって僕は今こんなにも君を想って
僕に持ち得るものすべてを以って
君を愛している
僕はここにいる
くだけちってもそこに在る
それ以外に何が必要だというのか
君のあのしぐさも、声も、姿も、
君のたてるかすかな物音も
何もかも忘れてしまった僕が
何ひとつ思い出せない僕が
こんなにも君を恋しく思っているのに
君のしぐさに触れ 君の声にまどろみ
君の姿に -- 今目の前で
翻弄されているような人間が
どうして君を愛することを許されるというのか
二度と僕の名を呼んでくれることのない
君の詩(うた)を -- 僕がうばった君の詩を 他の誰が聞くことを許されるというのか |
毎晩夜になると
君のことが気がかりで眠れなくなる
今 僕が君を想うこの瞬間さえ
誰かが君に触れていると思うだけで
僕はこの世のありとあらゆる矛盾と
非常識と 虚実とにうちのめされる
もうだめだ 僕はだめだ
何度そう繰り返しただろう
君を想って 恋に濡れたこの体も
僕が生きていく限り続くこの刹那の連続が
細い針に刻まれていくのと同じように
こなごなに刻まれて、くだかれて…
--- ああ、けれども僕はここにいる
君を愛する僕が
ここにいるんだ
会いたい
君に会いたい
その願いを伝えることも
もう二度とできないけれど
会いたい
会いたいよ
お願いだよ
君に会いたいんだ |
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