『人間であることが許されない程
腹だたしいことはない
あの人を信じられずに
自身を信じるなど―――
――人間であることが 許されない程―
許されない?誰が許さない?
どうしてそれが気になるんだろう
どうして、なぜ許されないのかを問わないんだ
だって 僕は
僕が いちばんそれを認めているんだ
腹立たしいと思うことが滑稽な程
笑い話にしかならない程
僕のからだは
否定ばかりだ
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≪あの人≫なしで 入きる手立てにと思って
書きだした日記のなかで、
わたしは、やっぱり≪あの人≫あてに
手紙を書いていたのだ
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